大学受験と中学受験は似て非なるものです.ギフテッドの方は横に置いて,一般的な子(ある程度勉強しないと点数がとれない子)の場合です.
難関中に進学しても俗にいう名門大学に合格しない子,逆に公立の中学校に行って,それほど目立たないのに名門大学に合格する子,一体何が違うのか.
それは大学受験と中学受験の質が違うからです.私立大学であれば,苦手な科目を避けて得意な科目だけで勝負することができます.仮に数学が全くできなくても,難関の私立大学に合格することは十分に可能です.それに反して,中学受験で難関中を目指す場合は算数と国語ができなかったら,話になりません.
一体どういう子が算数と国語ができるのか.誰も声を大にして言いませんが,ポテンシャルの問題が大きいのです.簡単に言えば運動と同じです.運動の場合は目に見えてそれぞれのポテンシャルがわかりますが,頭の中は見えないので,保護者の方々は期待しがちです.ある一定以上のポテンシャルがないと難関中学には合格できません.じゃあ,そんな子であれば,名門の大学に進学できるではないかと思います.しかし,そうは簡単にいきません.中学以降は一定の学習量が必要なのです.
受験算数は勘が良ければそんなに勉強をしなくても解けてしまいます.答えは非負整数か分数なので,当てはめて解いたりします.そんな子はたいがい計算力があります.きちんとした式がなくても答えを導きだしてしまうのです.そんな子は中学以降で勉強に対する姿勢を変えないと,大変なことがおきます.数学はそんなに甘いものではありません.理系の名門大学に行くためには,数学公式の意味を理解した上でそれを完全に覚え,一定の演習量と応用発展問題への取組が必要です.勉強に対する姿勢を変えないと辿る道は明白です.
大学受験は自分の力量を客観的にとらえること.そして,勉強に対する真面目さ大切です.それに反して,中学受験は勉強に対する真摯な態度はあまり重要視しません.あくまで結果主義です.塾の難関中コースの教室を覗けば一目瞭然です.